今、読んでいる「水中の哲学者たち」という本がとってもとっても面白い。

とある生物の先生が、生徒たちに聞く。
「生まれ変わった事はありますか?」

これは、著者が小学校で「死んだらどうなるのか」というテーマで哲学対話をしていた時に思い出されたエピソードだ。

生物はみんな新陳代謝していて、約3年で体の全細胞が生まれ変わるとされている。
だから、
「皆さんいつも生まれ変わっていますから、安心してくださいね」
と、先生が言う。

安心してください、、?

生まれ変わると言う話になった時、人が生まれ変わったと言えるためには、同じ魂が受け付かれていないといけないと言う前提条件が話の中で上がってくる。

ここから個人的に考えたことで、論点が変わってくるが、
肉体的には我々3年1度生まれ変わっている。
もしかしたら、魂にも新陳代謝があると考えてもいいのではないか。
守備一貫、一矢貫徹    という言葉があるように、私たちは自分の中に一貫性というものを過度に求めてしまうような気がしている。

目指すものが変わったり、やりたいことが変わったり、そういうのをなんとなく中途半端、としてしまうことがある。

でもどうかな?
魂にも新陳代謝があるんじゃないだろうか。
小学生の時の私と今の私は同じ1人の人間だと言えるだろうか。
体も心も、あの時とはまるで違っている。

生まれた時から変わらないものなんてあるんだろうか?

生物の先生は安心してくださいって言った。
私は私らしくとか、こういう性格であるとか、今までこうしてきたからとか、そういうものが変わることを恐れなくても良い、先生の言葉の裏にはそう思わせてくれるものがある。

私たちは、きっと明日も、ほんの少し生まれ変わっている。