去年から、近所のコワーキングスペースで毎月ドキュメンタリー映画上映会を開催しているのですが、今月から2年目に突入しました。
Season2の第1回目は9月27日(日)に開催されます。
開催情報は下の方に掲載しておきますので、ご興味のある方がいらっしゃいましたらぜひ!

せっかくなので、良さそうな関連書籍があったら前もって読んでおこうかと急におもいつき、今回選んだのがこちら💁‍♀️

平和ってなんだろう    ~「軍隊をすてた国」コスタリカから考える~

(足立力也著    岩波ジュニア新書)
平和ってなんだろうヘイワッテナンダロウ 「軍隊をすてた国」コスタリカから考える.jpg 163.5 KB※2009年初版ですでに絶版している本なので、内容が少し古いところがあるかと思います。

まず気になったところ

「そうやってね、大きな資金を一気に導入してごらんなさいよ。その利権に絡んでマフィアなんかが入ってくるでしょ。マフィアが入ってきたら、一緒に何がくる?麻薬よ。それが青少年に広がったりして、絶対問題になるんだから。結局、なんでもね。そこそこが一番いいのよ。」
(観光立国であるにもかかわらず、世界的五つ星ホテルチェーンを誘致していないことについての大統領秘書官の言葉)

政治の要職にある人が「そこそこが一番いい」と言い切る姿勢には驚かされます。多くの国が際限のない経済成長を前提に動くなかで、「永遠の成長などあり得ない」と割り切る視点。お金、物、地位、名誉を「もっと、もっと」と求め続ける欲望は、やがて「自分たちさえ良ければいい」という独占の論理につながりかねません。「私たちはもう十分に持っている」と満足できることこそが、本当の豊かさなのかもしれないです。
んー、とはいってもやっぱお金は欲しいね~。きっとコスタリカの人もそうだと思う。だからこそ、国がそういう姿勢を表明するのって大事なのかもしれない。

そもそも平和ってなんだろう
戦争や差別がないこと? けれど、現実的に利害の衝突をゼロにすることは難しい。かといって、波風を立てないよう当たり障りのない言葉でやり過ごすのが平和なのかといえば、それも違うと思います。今の日本も一見穏やかに見えて、水面下で分断が進んでいるように思えてなりません。

著者がコスタリカの小学校を見学した際、学級委員長の女の子に「平和って何?」と尋ねたところ、返ってきた答えがこれでした。

民主主義、人権、環境!

日本の平和教育は「戦争はいけない」「差別はいけない」「相手の気持ちを考えよう」といった個人の心情や行動規範に重きを置く傾向があるように感じます。一方でコスタリカでは、民主主義や人権、環境を「自分たちで社会をつくるための価値観・文化」として、子どもの頃から具体的に学んでいるように感じられます。
日本の平和教育が間違っているとも思いませんし、コスタリカの平和教育が成功しているのかと言えば、そうとも言い切れないところもあるようです。実際、模擬選挙で子どもたちが大統領に一番取り組んでほしいと挙げた課題は「麻薬撲滅」と「治安改善」だといいます。でも、子供のころから本当の民主主義とは?人権とは?環境を守ることとは?と考える機会が多いことは、大人になって資本主義の渦に巻き込まれてから考えるよりいいのかもしれません。

消極的平和と積極的平和
著者は日本とコスタリカの「平和」についてのとらえ方を消極的平和と積極的平和という言葉で説明しています。
消極的平和とは、戦争や暴力などの直接的な衝突が存在しない状態だという考えのため、悪いことが起きていなければそれで良いと考えてしまいがちです。日本の平和観はこちらに近く、何か悪いことが起きたときに初めて「平和とは何か」を考えるスイッチが入ります。身の回りで問題が起きていなければ「(日本は)平和だ」と思い込みやすい、点の平和でもあります。デメリットばかりではなく、これは現状を分析するには役立つ見方でもあります。
積極的平和とは、平和を「暴力の不在」で終わらせず、人々がよく生きられる状態まで含めて考えます。未来を見据えた考え方なので、コスタリカでは平和について考えるスイッチが常にオンになっています。社会が目指す方向性を示す線の平和でもあり、社会の未来図を描くのに必要な見方です。つまり、消極的平和は「悪いことが起きていない状態を作る、守る」ことに、積極的平和は「良い状態を主体的につくっていく」ことに重きを置いているとも言えると思います。どちらも大切だと思いますが、日本ではちょっと前者に偏りすぎているのではと思います。(今は日本も「積極的平和主義」を掲げてはいるようですが、、、果たしてどうなのかなぁ。表面的なところが多いような気がします。)

さて、上映会の話に戻ります。上映会は「WORK CINEMA DIALOGUE」(略してWCD)といい、みんなで映画を鑑賞したあと、対話をする流れになります。B&Jのドキュメンタリー映画版といった感じです。

今回の上映作品は

「コスタリカの奇跡 〜積極的平和国家のつくり方〜」

tirasi_pic_1492122666.jpg 47.35 KB


コスタリカは1948 年に軍隊を廃止。
軍事予算を社会福祉に充て、 国民の幸福度を最大化する道を選んだコスタリカの奇跡に迫ったドキュメンタリー。


「あなたにとって平和とは何ですか?」
この問いは、このイベントでも参加者の皆さんに投げかけてみようと思います。

📍WCD    Season2-1『コスタリカの奇跡』 開催情報
日時:2026年9月27日(日)18:00〜20:10ごろ    ※17:30~受付開始
会場:ワークシネマパラダイス
(東京都墨田区菊川3丁目7-1 菊川会館ビル2階)
都営新宿線「菊川駅」A4出口 徒歩 1分       
※建物にエレベーターはありません(階段のみ)

🎟 チケット
当日会場にて精算(現金/クレジットカード/QRコード/交通系IC対応)
一般:2,000円
学生:1,500円
障がい者手帳割引:1,500円
 ※すべてワンドリンク付き
 ※リンク(Peatix)https://peatix.com/event/5163956 からご予約可能です。


次回は10月31日開催予定となります。