「ああ、今日は嫌なことばかりだ。私、今週やりきれるかなあ。」
そんな時、
これを飲む時が来たな、と、棚の上の秘蔵の小箱を開ける。
初めて一人暮らしをした日、
お腹の調子が悪い日、
乾燥気味な日、
明日は頑張りたいと意気込む日。
ソワソワ ケバケバした心を、それはいつもなだめてくれた。
初めて台湾に行った時のこと。
漢方や薬膳にハマっていた私は、自分用に漢方茶のセットを買った。
「精神」「助眠」「女神」「 月事 」「織美」
可愛らしい紙箱に、それぞれ名前がつけられたティーバックが収められている。
なつめやクコの実、ごぼうやキノコ、自然由来の食材が性能ごとにブレンドされている。
たかがお茶、されど、お茶。
それが気休めだとしても、“気が休まる“ということが、とても助けになることがある。
正社員を辞めた時、自分の選択に自信が持てなくて、漠然と不安に襲われた夜。
「とにかくこれを飲んでおけば大丈夫」
そう思わせてくれるものがあるということはとても強い。
これから新しい生活が始まるという時も、
「いろいろあるかもしれないけれど、まあ何とかなるさ」という気がしてくる。
ある人が、
「不安定で不確定な現代。日本人は皆ちょっとだけ不安なんだよ」
と言っていた。
そんな出所の曖昧な不安も、モヤモヤも、抱えたまま生きていく。
そういう力のことを、ネガティブケイパビリティというらしい。
“なんとなく不安“ には、“なんとなく大丈夫“ そう思わせてくれる何かが必要だ。
私にとってお茶はその一つ。
気休めで良い。
それぐらいがちょうどいい。
そうやって時々自分をあやしながら、
次の休みを目指して、生きていくのだ。
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読んで下さってありがとうございました☺️
@yasu59 さんのイベント、『線の窓から〜ささやかだけれど、役に立つこと〜』に寄せて投稿しました♪

2025/03/07 18:44