前川ほまれ:藍色時刻の君たちは

この小説は統合失調症の母と共に暮らす女子高生、認知症の祖母の介護を担う男子高校生、保育園に通う弟とアルコール依存症の母の面倒をみる女子高生の日常の悲痛な叫びが描かれている。
ヤングケアラー…昨今社会問題としても扱われるが果たしてそれは今に始まったことなのか。
いやっ、それは違う!

障害を負って生まれた我が子や姑の介護は常に女性が、つまりは母や嫁が担っていた。それも当然のように。

それが今や、核家族化がすすみ、一人親家庭も珍しくない中で家庭内での介護の担い手が少年・少女に、つまりは子どもになっただけだ。

この国は昔から家庭内での問題はその家で解決するようにとしている。だが、それが一つひとつの家庭を分断し、今はヤングケアラーを生んできた。

ヤングケアラーたちの疲弊した日常は他人事ではない。何故なら、それは私にも明日起こるかもしれない現実だからだ。

だからこそ、彼らが飛び立てるような世界にすることが必要なのではないか。
そんなことを本書を読み感じる。