本記事は、OSIRO社のコミュニティ献本企画に参加し、献本を受けて執筆しました。
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良い書評とは、肯定的にしろ否定的にしろ、読者に「その本読んでみたい!」と思わせるものではないだろうか。
文学、映画、美術にリボンをかけて贈られた文が詰まった本だと思った。前提知識がない私には正直、ちょっと難しかったが笑。
読者は誰も、作者と同じではなく、主人公と同じではない。しかし、作品は他者としての読者を受け容れる大きな器であり、そのために、それ自体が充実していなければならない。(本文中「恢復と自己貸与」より)
世界は驚嘆せずにはいられないエモーショナルなことに溢れ、また世界は残酷で無慈悲でもある。本を読なくても生きていることが十分幸せだと言える人生のなんと眩しいことか。けれど、私の中にある数々の分人を本の中で見つける度に、よくぞ言語化してくれました!と心の中で小躍りする。漠然と見ていた世界のぼんやりした輪郭が、少しだけはっきりとする。作家が登場人物について語っていることを読む。語っていないことを読み取る。作品中と私とを行き来する。その時間が私を今日も生かす。
私は海外の古典をほとんど取りこぼしているので、この夏ドストエフスキーあたりからチャレンジしてみようかな、と思った。
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