右翼と左翼


今回は、7回に分けて書いたブログの、まとめになります。

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本書要約

簡単にいえば、左=改革、右=保守である。
左右の概念はフランス革命に始まる。
フランス以外でも英米などで、左へ進む傾向(貴族階級や王権の廃止)が、共通して見られた。
「これは単なる偶然ではなく、人類がそうしたプロセスを辿るものだという必然性があるのだ。」という考え方(=進歩史観)が19世紀の欧米で広がった。
進歩史観を提唱した代表的な人物である、ヘーゲルやマルクスは、彼らのいう「自由」が実現した国家を理想と考えた。
マルクスはプロレタリアートが国家を超えて団結して(インターナショナル)革命を起こすと考えたが、結局先進国において革命は実現しなかった。
革命はむしろ、20世紀の第3世界においてナショナリズムが勃興する形で起こったが、共産主義陣営に就くか資本主義陣営に就くかにおいて対立し、冷戦の構造を呈した。
冷戦後の世界は、左右の枠組みで語るには難しい。

日本においては幕末から明治にかけて左右の概念が輸入された。
明治時代は左右は対立はさほど強くなく、大正に入ると徐々に左傾化。
昭和の戦時中は右翼的思想が支配的であった。

戦後、右派は吉田ドクトリンとして再軍備・対米従属を実行。左派は非武装中立を訴えた。
しかしそれらはいずれも正義を犠牲にした平和主義で、どちらも日本人が血を流して戦うことを徹底的に避けようとした。
高度経済成長が進むと、右派・左派的な主張はいずれも趣味的・気分的なものへと矮小化し、ウヨク・サヨクとなった。

現在の「左」「右」の概念は、三次元+二軸で整理するのがよいだろう。
すなわち、政治×経済×文化×外交×軍事である。
政治的統制が弱く、個人主義的なのが左。政治的統制が強く、全体主義的なのが右。
経済的統制が強く、平等主義的なのが左。経済的統制が弱く、自由主義的なのが右。
文化的統制が弱く、許容範囲が広いのが左。文化的統制が強く、伝統主義的なのが右。
(日本では)非武装中立を支持するのが左。日米同盟×外国軍駐留を支持するのが右。

左右いずれも、極端なところまでいくとディストピアに行き着くため、どちらも絶対的な信奉も絶対的な排斥もするべきではなく、バランスが大事である。

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7回に分けて書いてみた感想
・単純に分量が増えたため、時間がかかった。本書をまとめ終えるまで難しい本を読みたくなかったので、1週間以上新しい書籍に手を出せなかった。箸休めに漫画はたくさん読んだけど。
・時間をかけて書いた分、普段のブログよりも詳細に記載することになった。その分、普段の書籍よりも理解度は高かったような気がする。

こういうのも一長一短ですね。

次は千葉雅也著の「現代思想入門」を読もうと思っているのですが、どのくらいの分量でまとめるかは、読みつつブログを書きつつ考えようと思います。
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お読みいただいた方、ありがとうございました。